こんにちは。実況の立野純です。
今年度も恒例の『桜祭賞』での開幕となりました。四日市市内にも、さまざまな桜の名所がありますが、 中でも有名なのは海蔵川。今節開催中も、出勤時(昼)にも帰宅時(夜)にも、たくさんの花見客で賑わっていました。
さて、今節のFⅠ戦。 注目は何と言っても地元の浅井康太選手。上位戦での活躍は、 ファンの皆さまには説明不要でしょう。浅井選手にとっては、昨年記念以来のホームバンク戦。記念では惜しくも準決勝敗退となりましたが、 今回は押しも押されぬV候補!
そんなことは、本人も分かっているのでしょうが、前検日に話を聞いてみると、 身体が堅くなるような緊張感は、微塵も感じられませんでした。脚もそうですが、 ハートも強靭な選手だということを、改めて感じました。
決勝戦はご覧になりましたか?実況していた私は、鳥肌が立ちました!何にかと言うと、 お客さまの歓声にです!
今開催はFⅠですが、Vゴール後の声援は、 記念と錯覚するくらい!CS・ネット放送にも、その大声援は乗っていたかと思います。画面には映っていませんでしたが、 ゴール後、FⅠでは異例のヘルメット投げ入れ。それに止まらず、敢闘門に戻りかけたところから、 再び中央通路を通ってホームスタンド前に現れ、今度はユニフォームの投げ入れ! よほど嬉しかったんでしょうね。
今節最終日には、地元選手のトークショーも実施されました。 記念ウイナーの柴崎淳選手と、将来を嘱望される坂口晃輔選手。 残念ながら、私は見に行くことはできませんでしたが、10R締切後にBBスタジオに出てくれたときに、 オンエア直前の様子を見に行くことができましたので、シャッターを切りました。
(本番前のひとこまです。 左から、柴崎淳選手・坂口晃輔選手・司会の谷友梨子さん)
さて、今回は、ある選手に注目していました。それは、高田誠選手(福岡・65期) 。
ここ2年くらいで競輪ファンになられた方には、馴染みのない選手かと思います。と言うのも、 ある事情で走ることができませんでしたから…。
高田選手は、かつては特別競輪にも何度となく出場していた、バリバリの元S1レーサー。ところが、 おととし3月の地元(小倉)FⅠ戦での落車で、股関節骨折の重症。
そこから実戦復帰には、2年の月日を要しました。 復帰戦は3月18日のびわこ。今回は、まだ復帰後1か月経っていない高田選手に、話を伺うことができました。怪我前はS級でしたが、 現在はA級1班です。
「A級は難しいですね。(S級と)スピードが違うので…。楽なときもあるけど、 なかなかタイミングが合わないときもありますからね」
復帰後の感想を、こう語ってくれました。
「今は人工関節なんです。中に金属の関節が入っています。 サイボーグですよ(笑)」
「前は、体重をかけると痛かったんですけど、今は全然痛くない。痛みがない分、 自転車に乗ってて楽しいですね!比較的、人工関節の方が、動きがいいんです(笑)」
「自転車に乗り出したのは1月の終わりから2月くらい。それまでは入院生活。 リハビリの病院でリハビリしていました」
落車してからのことを振り返っていただきました。
「落車した後は、1か月間ベットで寝たきり。天井しか見られませんでした。 休んでいるときは、『復帰できるのかな…』 という気持ちで不安でした」
「でも、自分の先生や、リハビリのスタッフが協力してくれたので、『こりゃあ、 途中で投げ出せないな』と思いました。また、他の病気やケガの方が周りにいた中で『自分は、 身体が動かせる分だけ、まだいい』と思いました。みんな(周りの、他の患者さん)頑張ってたので、 『やらないと!』という気持ちになりました」
「同じようなケガで、諦めている方もいるかもしれないけれど、 『人工関節でもできるんだ!』というのを伝えていきたい」
気持ちの面で、何か変わったところがあったようですね。
個人的なことですが、7年前の西宮S級準決勝で、 高田選手に2車単で2万車券を獲らせてもらった思い出があります。そのときは、豪快な単騎捲りで1着でした。そのことを含め、 自力について聞いてみました。
「自力ですか?練習では、自力も少しずつ出だしました。あとは実戦で…って感じですね」
「だいぶレースに慣れてきました。早く1着獲りたいですね!」
そう、明るく語ってくれた高田選手。
今節初日選抜戦は、展開向かずに6着に終わりました。が、準決勝でついに、 「早く1着獲りたいですね!」の想いが実りました!大坪功一選手の捲りに乗って、直線追い込んでの1着! おととし2月25日、宇都宮S級戦以来、実に2年2か月ぶりの白星となりました!ちなみに、決勝進出は、 2006年7月名古屋S級戦以来のことです!
「今は、練習も、レースを走れるのも楽しい!」
そう何度も口にしていた高田選手。
自分のためだけでなく、支えてくれた人には恩返しを。そして、同じ苦しみや、 それ以上の苦しみを味わっている人には、勇気を与えられる走りを!高田選手のそんな想いは、きっと伝わることでしょう。
さて、次節の本場開催は5月後半。少し空きますね。「今日は暑いな」そんな声が、 次節には聞かれるのでしょうかね。
今年度も、ナイターの四日市をお楽しみください!