5/21~23 中京スポーツ杯(FⅡ)より

 こんにちは。実況の立野純です。

 

                

 

 まさに初夏。上着も必要なくなり、陽のあたる所を少し歩いていると、 じわっと汗ばむ日も多くなりました。そんな日が続くと、少~し気温が下がっただけでも、肌寒く感じられるもの。今節2日目は、曇り空 (時折霧雨)の気温20度。20度もあれば、ついこの前までやってた冬季ナイターならば「暑い暑い」と言っていたはず。それが 「今日はちょっと寒いね」という会話が交わされたのですから、人間の身体というのは不思議なものです。

 

              

              (フォーリン君は、早くも梅雨ヴァージョンです)

 

 さて、今節は桜の季節以来、久々の開催。FⅡ戦の『中京スポーツ杯』 。中近より西日本の選手によって、争われました。

 優勝したのは富山の90期、竹澤浩司選手。 捲りにはなりましたが、落ち着いた仕掛けで今年3回目の優勝。この後のレインボーカップの出場権がなく、来期もA級ですが、 来々期はS級に復帰できそう。前回のS級は1期のみでしたが、次はS級維持、さらに上での活躍を期待します!

 

 そして、今節準決勝で、大いに沸かせてくれたのは、ベテランの新田義男選手(広島・ 60期)

 準決勝11Rで人気になっていたのは、水谷好宏選手(滋賀・93期)率いる近畿ライン。新田選手は、 人気ではいわゆる『第3のライン』でしたが、レースでは水谷選手のジャン先行を、ものの見事に捲り切りました! 2車単では2万円台の高配当。ゴール後は、お客さんに「見たか!」と言わんばかり (?)のパフォーマンス!高配当だったため、車券を外したお客さんが多かったはずなのですが、それでもお客さんからは、 さかんに拍手が送られていました。「いいレースはお客さんを惹きつける」…そんなレースのひとつだったように思います。

 水谷選手の後ろが若干もつれる展開になったため、「恵まれました」と新田選手は語っていましたが、 恵まれだけでは本命選手を捲れるものではないでしょう。「新田さん、強いですよ」そんな声も、周りの選手からも聞かれました。

 

 

 さて、今シリーズは一人の若手選手にスポットを当ててみました。大分の92期、 24歳の松田直也選手です。

 

          

 

 松田選手のデビューは、2007年7月の玉野。 チャレンジレースが創設された2008年前期、 3~4月にかけて9連勝を達成。 4月19日付けで2班特進を果たしました。1・2班戦初戦の富山では、3日間先行して3・5・1着。 3日目特選では、 6番車ながらも筋の押し切りは2番人気(差し目が1番人気)。ファンからの評価も高かったことを物語っています。ところが… 。

 その直後、4月末の街道練習中に大きな交通事故に。 2か所の頭がい骨、腰椎の骨折、脳挫傷…。その他にも語ってくれたのですが、覚えられませんえでした。そのくらいの事故です。 あまりのものなので、想像すらできません。

 「事故のことは何も覚えていないんです。気づいたら病院でした。病院の手術台で1回、 目が覚めたんです。けど、視界がなくて…」

 

 そんな状態でしたから、医者からの言葉も当然「選手として復帰するのは無理。 もう自転車には乗れない」というもの。しかし、そんな医者の言葉を覆したのは、 何よりも松田選手自身の「絶対に復帰する!」という強い想い!

 

 高校時代にはインターハイ出場のアマチュア歴も持ちますが、プロになってからはまだ1年。 「選手になるのに4年かかったのに、ここで辞めたらアマチュア時代の方が長くなってしまう。だから、絶対に戻ると思っていました」

 

 手術を終えても、すぐに自由に動ける身ではなかったのに、回復力は人並み以上。リハビリにも励み、 わずか9か月での退院となったそうです!

 

 レースの復帰は、今年3月の奈良。1月から徐々に練習を始め、 もがけるようにもなってきての復帰でした。復帰戦については、「おもしろかった!『わっ!レースしてる!』と思って(笑)」と。その喜びは、 私の想像をはるかに超えるものでしょう。

 その奈良では3日目特選に、復帰後初勝利(逃げ切り)。復帰3節目の別府では、早くも決勝進出! (1・1・②)続く松山でも決勝入り。「まだ体力は戻りきっていない」とは語るものの、着実に復帰ロードを歩んでいるように見えます。

 

          

 

 改めて、脚質やレースについて聞いてみました。

 

 「タイプですか?どうなんですかね…。周りが言うには、地脚もあるらしいし、 スピードもあるらしいんですよ。ロードに出て、みんなと距離乗ってても、上りでみんな千切れるし。でも、周りが言うだけなので、 分からないですね。地脚…、まではないですね。ダッシュタイプと長距離型の中間くらいですかね

  「元々、カマす方が得意だったのでは?」と尋ねてみると、

 「前は力があったから、上半身と下半身のバランスがよかったんですけど、今はバランスが悪いので、 出だしが悪いですね。先行して勝てるのがベストだけど、できないときもありますし。先行、捲りは流れで、ラインで決まるように」

 

 松田選手の顔には、「もう消えないです」というキズが残っており、 身体にはまだプレートが入っている状況です。しかし、お話をしていると、前向きな言葉しか出てきません。

 「元々ケガが多かったから、ケガに慣れているのかも(笑)。先は長いですし、 あせらずゆっくり治していきます」

 そして、「オヤジを超えたい」との力強い言葉も!

 松田選手のお父さんは、35期No.1の隆文さん。全盛期は特別競輪で活躍した実力者。 その隆文さんを超える、というのは、イコールGⅠ制覇!大事故にも負けない松田選手の強さは、こんな想いに支えられているのかもしれません。

 

 来期は3班となります。「9連勝?9連勝は、そんな簡単じゃないですよ」と語る松田選手。 素質を考えると、周りはついつい特進を期待してしまいます。が、身体はまだ完全には戻りきっていない状態。先を考えると、目先の結果よりも、 しっかり身体を戻していくことが大事なのかもしれませんね。来期のチャレンジ戦は、完全復活への足がかりとなることでしょう。

 

 

 さて、次回の四日市競輪は6月中旬。高松宮記念杯(GⅠ)直前のシリーズということもあり、 Vの行方は混とんとすること間違いなし。波乱含みの3日間をしっかり的中させて、高松宮記念杯、 さらにその後すぐに続く四日市FⅡナイターの軍資金を作ってください!


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